ライチョウのシンポジウム

大学の先生から案内の手紙をいただきました。

ライチョウは、立山とか北アルプスに生息している鳥で。
他の鳥は、冬になると下山して温かいところで暮らしたりするのだけど、ライチョウだけは常に2000m以上の高山で暮らしています。冬は羽が生えかわって真っ白になるんですよ。雪に覆われた世界で暮らしているので、周りに溶け込んで身の安全を確保するためですね。

多くの動植物が、今公害とか温暖化とか森林破壊とかの環境の悪化によって、住む場所がなくなって、数も減っているわけですが、ライチョウも同様で。

むしろ、高山から移動しないので、温暖化の影響は特に受けている動物です。
温暖化が進むと、これまでと温帯だったところが亜熱帯に。亜寒帯だったところが温帯になってしまいます。北、または標高が高いところに行かないとこれまでと同じような気候、環境がなくなってしまいます。

温帯に住む他の動物は北へ移動するとかして、これまでと同じような気候、環境のところを新しく見つけることができますが、ライチョウが住む標高2000m以上の山は、いわゆる亜寒帯。日本には2000m以上の山なんて少なく、元々住める場所が少なかったのです。北海道までいけばそういう環境はあるかもしれませんけど、ライチョウは渡り鳥じゃないので、北アルプスから北海道まで飛んでいく能力がないんでね。だから温暖化が進むと、住む場所がどんどん減っていき、それに伴って、個体数も減ってしまいます。

温暖化というのは、極地、僻地に住む動物が、一番最初に絶滅の危機が訪れるんですよ。というわけで、業界的にはなかなかホットなテーマなシンポジウムのご案内でした。

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第4回ライチョウとその生息環境を考える会議

「温暖化とニホンライチョウたち
ここ20年間で雪の量と質が大きく変わった」

少なくとも1万2千年つづいてきた高山の環境が、温暖化により今大きく変わろうとしている。高山の生物の多様性を保全するために一人一人に何ができるのかを考える場にしたい。

日時 2010年1月30日(土)10:00-18:00
場所 東京国際フォーラム409会議室
入場無料

講師
増沢武弘(静岡大
丸田恵美子(東邦大)
山口剛士(鳥取大)
飯田肇(立山カルデラ砂防博物館)
肴倉孝明(山岳環境研究所)
大村顕介(NPO法人ライチョウ保護研究会)

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大村さんって研究室の後輩だっけ?若手のホープ
やってる内容はとてもいいし、日本の自然環境を保全していく上でもとても大事なテーマなんだけど、いかんせん宣伝が。ライチョウ保護研究会のウェブサイトとか更新されてないしね。若手でやれる人いればいいんだけど。オレはそこまでお手伝いできません。
でも来年は、しばらく遠ざかっていたフィールドに、今よりも近づく気がします。なんとなくそんな予感。
やまんちゅ。