安易なハード建設は反対

小田原駅を新しくしたことについて、僕は失策だったと思っています。どのくらいの方が同じように感じているかはわかりませんが、僕が「話せるオヤジ」と思っている市内外のおっさんたちは皆同じような見解ですから、そういう人も多くいると思います。
駅というのは人の動きの中継点であり、小田原の玄関口だと思いますから、「小田原らしさ」というのがそこにある必要があります。しかし、新しい駅は、重厚長大型で、いわゆる多摩とか小田急線の世田谷あたり(千歳船橋とか)にあるのとそんなに変わりません。駅に降りても小田原かどうかわからない感じです。
確かに東西が行き来できるようになって、ある部分では便利になりました(でも僕は新幹線に乗る際、今までは階段を一度上がるだけだったのが、新しくなってから上がって降りてまた上がるという動線になったので不便になりました^^;)。バリアフリーも進みましたし、利便性という点だけ見れば良かったと思います。ただ、確実に小田原らしさというのを消してしまったと思います。便利さ、効率だけに心を奪われて、本来小田原が持っていた良さとかを完全に消そうという動きですね。それなのに小田原の文化を活かして・・・みたいな政策とかは笑っちゃいます。
現在はバブルもとっくにはじけ、「当時建ててしまった建物をどうしようか、維持費ばっかりかかっていて、でも使われてなくて困っちゃうね。」というのが世間一般の流れです。それなのになんで今更城下町ホールなんて建てるのでしょうか?しかも建てたところで「具体的に」何をするかが全く不明です。必要かどうかまだわからないけれど、ハードを作れば一生懸命手を打とうとしているってのがカタチとして見えるし、とりあえず建てといて、使い道はそれから考えましょうみたいな感じがします。それだと結局使われず、ただ美観を損ねるだけのいわゆる「無用の長物」ってやつですね。そもそも長物になるかどうかも分かりませんが。もうデカい箱を作って、そこらにいっぱい建っているマンションのように美観を損ねていくのは懲り懲りです。
多様な文化の交流の場を作るというのはよいと思いますが、交流する場の作り方は、機会を作ることなのか、広報活動によって知ってもらうことなのか、交流しやすい雰囲気づくりをすることなのか、それとも新しいハードを作らないと交流の場が出来ないのかという議論をすっ飛ばしています。絶対に。
交流とか交流の場作りとかって何かするときにすぐ使えるとても便利な言葉だと思います。が、結局どういうつもりで使っているのか分からないままに使えて、「なんとなく」いい印象を与えるので非常に危険な言葉だと思います。
まず、どういう文化があるのか、そしてそれぞれをどのように交流させたいのか(関係者どうしの交流ならメーリングリストを作ればいいし、市民に見て欲しいとかなら既存のハードの利活用を考えれば十分だと思います。)っていう議論を初めにする必要があると思います。

先の市長選の時、確かに城下町ホールのような文化施設を建てるというのがマニフェストに載っていましたが、いつのまに正式決定されたのでしょう。フォーラムで小田原市企画政策課の課長曰く平成19年度着工が決まったとのことですが、どのようなプロセスを経て?非常に不透明です。本当に市民の交流の場として城下町ホールがあってほしいというのであれば、一部の関係者で決めて、市報の片隅にちょっと報告をするというのではなく、住民投票をするなど、計画の段階から市民に知ってもらえるように、また市民の意見を幅広く聞けるようにするというのがよいと思います。今のやりかたでは恩着せがましい感じがします。(例えば大学の文化祭実行委員会とかイベントの主催者というのは、みんなのために自分達が一番考えてるんだよっていうのが出過ぎてしまって、偉そうとか恩着せがましいということが結構多いのではないかと思います。自分も含めた大勢の事を考えているにせよ、謙虚さは持ち続けていかないといけないと思います。最近そういう場に第三者として行って、不快に思うことが多かったので自分の胸に刻んで常に謙虚さを意識していきたいと思います。)
で、既述の通り、城下町ホールの建設について、あまり妥当な決定とは思えませんし、安易なハード建設は反対です。中止の働きかけをしていきたいと考えています。
さがみイズムとしてではありません。一市民としてです。さがみイズムは政治色が全くない団体です。さがみイズムはハードではなく、拠点もそこらの飲み屋さんにしかありませんが、いろんな人材の交流の場であって、小田原や真鶴・湯河原の文化を知ったり、知ったことを伝えたり、これから地元がどうなったらいいか議論したり、集まった共感できる仲間達で面白く、楽しく、アツクなるしかけをどんどんやっていこうという集まりです。なのでさがみイズムを政治のゴタゴタに巻き込むようなことはしたくないのです。)